第18章
山の中で
町を出て、深い山に入った。
三日、人に会わなかった。
山の中で、シンは初めてゆっくりと考える時間を持った。
マツのことを思った。
父のことを思った。
母のことを思った。
サカリのことを思った。
サカリは今、どこにいるのか。
何をしているのか。
アラが言った。
「シン、お前は時々、遠くを見る顔をする。何を考えているのか。」
シンは言った。
「サカリのことだ。」
アラは言った。
「あいつは自分で選んだんだろう。」
シンは言った。
「そうだ。しかし、俺が何かを言えていたら、違ったかもしれないとも思う。」
アラは言った。
「それはお前の責任か。」
シンは答えなかった。
キヨが言った。
「人の道は、その者が選ぶものだ。シン、お前がサカリの代わりに歩くことはできない。」
シンは分かっていた。
しかし分かっていても、消えない重さがあった。
それもまた、道の一部だとシンは思った。