第19章
川沿いの女
山を下りた先に、川があった。
川沿いに一人の女が座っていた。
泣いているようだった。
キヨが近づいた。
シンとアラは少し離れて待った。
しばらくして、キヨが戻ってきた。
「夫が死んだそうだ。子が三人いる。どうすればいいか分からないと言っている。」
シンはその女のもとへ行った。
女は言った。
「なぜ誠実に生きた夫が、こんなに早く逝ったのか。道などあるのか。」
シンは以前の自分と同じ問いを聞いた。
シンは言った。
「道はある。しかし道は、良いことだけを約束しない。
道は、何が起きても歩き続けられる足腰を作るものだ。
夫は誠実に生きた。その生き様は、お前の中に、子供たちの中に残っている。
それが道の続きだ。」
女は長く泣いた。
シンたちはその夜、女の家に泊まった。
アラは薪を割り、キヨは子供たちの世話をした。
シンは黙って、囲炉裏の火を守った。
翌朝、女は少し顔が変わっていた。
完全ではなかった。しかし、立てる顔だった。
三人は女の村を出た。
アラが言った。
「お前はいつから、ああいう言葉が言えるようになったのか。」
シンは言った。
「同じ問いを、俺も持っていたからだ。」