第42章
追放の宣言
翌朝、村人全員が広場に集まった。
シンは言った。
「ガルをこの村から送り出すことを、皆で決める。
これは怒りからではない。
この村には作法がある。その作法を三度示した。
三度とも、変わらなかった。
それがこの結論の理由だ。
賛成の者は前へ。」
全員が前へ出た。
シンはガルを呼んだ。
ガルは来た。
広場に全員が並んでいるのを見て、何かを察した顔をした。
シンはガルの前に立ち、村の外を指した。
そして自分の胸に手を当て、村を示し、首を振った。
ガルは長い間、シンを見た。
怒るかと思った。
しかしガルは怒らなかった。
ただ、黙って荷をまとめに戻った。
村人たちは誰も追わなかった。
誰も罵倒しなかった。
ただ、静かに立っていた。
ガルは荷を背負い、村の入口まで歩いた。
振り返らなかった。
そのまま、道の向こうへ消えた。
アラがシンの横に来た。
「帰郷した日のことを覚えているか。
お前は全部を引き抜こうとしていた。」
シンは頷いた。
「あの時は、雑草も稲も区別がつかなかった。
怒りで全部を排除しようとしていた。
お前が止めてくれた。」
アラは言った。
「今日は違ったな。」
シンは言った。
「今日は、排除すべきものだけを、静かに取り除いた。
ガルの行動だけを問題にした。ガルの出自ではなく。
村人に害がある部分だけを正確に指して、感情ではなく筋で動いた。
稲は一本も抜いていない。」
風が広場を通り過ぎた。
穏やかな風だった。