第38章
言葉なき作法の伝え方
シンはガルのもとへ行った。
まず、ガルが無断で取った畑の前に連れて行き、
畑の主人を呼んだ。
そして主人に頭を下げさせ、シンも頭を下げ、
ガルに同じようにするよう、静かに促した。
ガルは首を傾げたが、シンが繰り返すと、ぎこちなく頭を下げた。
次に、共同の道具を取り出し、
使う前に持ち主に示し、使った後に返す動作を、
繰り返しゆっくりと見せた。
次に、夜になったとき、シンはガルの隣に座り、
静かに、しかし明確に、声を出さない仕草をした。
ガルはその夜、少し静かにした。
アラが言った。
「伝わったのか。」
シンは言った。
「少しは。しかしこれが続くかどうかは分からない。
言葉がないとき、作法は行動で示すしかない。
そして示したことを、記録しておく。」