第39章

限界の見極め

しかし三日後、ガルはまた他の者の畑に入った。

今度は注意した村人と揉み合いになった。
ガルは力が強く、村人が転んだ。
怪我はなかったが、村人たちの顔が変わった。

シンは村人たちを集めた。

「ガルに悪意があるかどうかはからない。
しかし事実として、この村の者が傷つきかけた。
言葉で伝えようとした。行動で示した。それでも変わらなかった。
次の段階に進む必要がある。」

長老が言った。
「次の段階とは何か。」

シンは言った。
「村として、明確な限界を示すことだ。
これ以上同じことが起きれば、この村には留まれないと、
言葉と行動の両方で伝える。
そしてその後も変わらなければ、村として追放を決める。」

ある村人が言った。
作法を少し緩めれば、ガルも馴染むのではないか。
ほんの少しだけ。」

シンは首を振った。

「少しだけ、と言って緩めたものは、戻らない。
少しだけ根を売った木は、嵐の日に立てなくなる。
根は見えないところにあるから、売っても気づかない。
しかし嵐が来たとき、足りないことに気づく。
その時では、もう遅い。」

旅の夜、サカリを庇おうとした自分を思い出した。
少しだけ目をつぶれば。あの声は、今のこの村人と同じ声だった。

シンは言った。
「作法は緩めない。しかし段階は踏む。
受け入れ、示し、警告し、決める。この順番を守る。」

村人たちは頷いた。