第13章

キヨとマツ

ある日、シンはキヨから聞いた。
マツのもとへ、何度か通っていたと。

「いつから。」
「お前がマツの話をし始めた頃から。」

シンは黙った。
なぜ言わなかったのかと聞きたかった。
しかし聞かなかった。

キヨは続けた。
「先月、最後に行ったとき、マツに聞いた。いつ頃死ぬと思っているか、と。」

シンは息を止めた。

「何と言っていた。」
「もうすぐだ、と。」

シンは何も言えなかった。

キヨは言った。
「お前に伝えた方がいいかとも聞いた。マツは言った。シンはまだ準備ができていない、と。」

シンは立ち上がりたかった。
しかし足が動かなかった。

「俺に教えてくれたのは、なぜだ。」

キヨは言った。
「あなたが聞ける頃になったから。」

シンはその夜、マツのもとへ行った。
マツは囲炉裏の前にいた。
シンは何も言わなかった。
マツも何も言わなかった。
二人は長い間、火を見ていた。