第4章
アラとの出会い
その年の秋、村に騒ぎが起きた。
隣村から一人の若者が流れてきて、村の男たちと揉めていた。
若者は体が大きく、目に怒りが宿っていた。
村の男たちは数で囲んでいた。
シンは止めに入った。
若者はシンにも拳を向けた。
シンは避けず、ただ立っていた。
若者は言った。
「なぜ避けない。」
シンは言った。
「お前の怒りは、俺には向いていない。どこか別のところから来ている。」
若者は拳を下ろした。
その若者がアラだった。
アラは故郷の村で、理不尽な目に遭い、飛び出してきた男だった。
怒りを持て余し、行き場なく歩き続けていた。
シンと同じだった。
二人はその夜、囲炉裏を挟んで長く話した。
アラは言った。
「お前はなぜ怒らないのか。」
シンは言った。
「怒っている。ただ、怒りをどこへ向けるかを、少し考えるようになった。」
アラはしばらく黙ってから言った。
「どうすれば、そうなれる。」
シンは言った。
「俺もまだ分からない。一緒に探すか。」
アラはその日から、シンと共に村に留まった。