第3-3章
敬意
けいい
敬意とは、礼儀ではない。
形だけの頭の下げ方を、この道は求めない。
敬意とは、相手の中に神を見ることである。
年老いた者の中に、長い年月が宿っている。
その年月を見よ。これが敬意である。
職人の手の中に、無数の積み重ねが宿っている。
その積み重ねを見よ。これが敬意である。
子供の中に、まだ見ぬ可能性が宿っている。
その可能性を見よ。これが敬意である。
敬意は上下ではない。
強者が弱者に敬意を払うことがある。
弱者が強者に敬意を払うこともある。
それは立場の問題ではなく、相手の中の神を見られるかどうかの問題である。
敬意を持たぬ者は、何も本当には見えていない。
見えているのは自分の都合だけである。
この道を歩む者よ。
敬意を持て。
ただし、敬意は要求するものではない。
敬意は、まず自らが差し出すものである。