第2-10章
循環
じゅんかん
この世に、終わりだけのものはない。
死は終わりではなく、循環の一部である。
冬は終わりではなく、春への道である。
山は削られ、川となり、海となり、雲となり、雨となり、また山を潤す。
これが道の姿である。
人もまた、循環の中にある。
今この瞬間に果たした分は、必ずどこかへ流れていく。
誠実に生きた者の生き方は、その者が去った後も、誰かの中に残る。
言葉にならなくとも、形にならなくとも、確かに残る。
だから焦るな。
誠実に分を尽くした者が、今すぐ報われないことがある。
しかし道は、それを忘れない。
また、傲慢に生きた者が、今は栄えているように見えることがある。
しかし道は、それも忘れない。
循環を信じよ。
今の損得だけで道を測るな。
大きな流れの中に自分を置き、その流れを信じよ。
それがこの道を歩む者の、静かな強さである。