第1-2章
道とは
みちとは
水は低きに流れる。
木は天に向かって伸びる。
春が来れば花が咲き、秋が来れば葉は落ちる。
誰が命じたわけでもない。
はじめから、そうなっている。
この、万物がそうあるべくしてある秩序。
名のつけようのない、この大きな流れ。
それを、道と呼ぶ。
道は教えではない。
道は掟でもない。
道は、人が生まれるはるか前から、そこにあったものである。
では、人はこの道と、どう関わるのか。
水が低きに流れるように、人にもまた、自ずからなる在り方がある。
己の分を知り、それを尽くすこと。
嘘をつかず、誠実であること。
目の前の者に、敬意を忘れぬこと。
それは誰かに強いられるものではない。
水が流れるように、自ずからそうあること。
それが、道を歩むということである。
道を歩む者は、道を作らない。
道を歩む者は、道に気づくだけである。