第5-4章
税と共同体の均衡
ぜいときょうどうたいのきんこう
共同体を維持するために、負担が必要なことがある。
道はそれを否定しない。
橋を架けるにも、道を整えるにも、力と資が要る。
しかし負担には、正しい量がある。
川から水を引くとき、引きすぎれば川が枯れる。
川が枯れれば、田も村も死ぬ。
引く量は、川が生き続けられる量でなければならない。
税もまた、同じである。
働いた者から多く取りすぎれば、働く意味が失われる。
誠実に分を尽くした者の器を、政が空にしてはならない。
それは強者への罰であり、道に反する。
税は少ないほど良い。
これは強者だけの話ではない。
税が少ない共同体では、人は自らの判断で動く。
自らの判断で動く者が多い共同体は、強い。
税が多い共同体では、人は政に依存する。
政に依存する者が増えた共同体は、やがて自ら考える力を失う。
政を担う者よ。
民から預かった資は、最小限で最大の効果を生むよう使え。
余分に取ることを、当然と思うな。
一文余分に取るたびに、誰かの分が削られている。
民よ。
税の使われ方を、他人事にするな。
政が道を外れた使い方をするとき、声を上げることも、分のうちである。
自らが稼いだものを、自らの判断で使える者が多い共同体が、最も豊かになる。
それがこの道の、経済における答えである。