第5-5章
多様なる者たちへ
たようなるものたちへ
天地には、道の中心から外れた場所に生きる者がいる。
それは昔からそうであった。
この道は、その者たちの存在を否定しない。
人の心と体は、時に複雑な形をとる。
それもまた、天地の造形の一部である。
その者たちの中にも神は宿り、その者たちにも分がある。
しかしここで、明確に述べなければならないことがある。
道の中心と、道の外縁は、異なる。
川の本流がある。
そこから枝分かれした流れもある。
枝の流れを否定しない。
しかし枝の流れが、本流に成り代わろうとするならば、
それは川の形を壊すことになる。
この共同体の婚姻の作法は、男と女の間に築かれてきた。
その作法の上に、無数の命が続いてきた。
その積み重ねを、一世代の声で塗り替えることは、
道の作法に反する。
声高に世間を自分たちに合わせよと叫ぶ者よ。
汝の存在を否定しているのではない。
汝が長年の作法を踏み荒らそうとすることを、この道は認めないのである。
静かに生きる者には、静かな場所がある。
その場所を、この道は奪わない。
しかし共同体の根幹を作り変えようとする動きは、
この地に積み重なってきたものへの敬意を欠いている。
多様であることと、多様を強制することは、全く別のことである。
前者はこの道に反しない。
後者は、場の作法を踏み荒らすことである。